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働き方改革におけるAI導入の成功事例

働き方改革におけるAI導入の成功事例_1

働き方改革を推進する企業が増える中、業務効率の向上のため、AIやRPAといったデジタルテクノロジーの活用への需要が高まり続けています。導入を検討している企業も多い中、実際にどのように活用し、どのような効果を生み出せるのかは、まだまだ手探り状態であるのが国内の現状です。今回は、AIに焦点を当て、既にAIを実用化している企業の事例を紹介しながら、企業にもたらす様々な効果を解説していきます。

関連ページ:業務効率化のためのAI導入のメリット・デメリット

目次

言語分析機能を活用した問い合わせ対応

データ検索機能を活用した情報の選別

AI×RPAによる個人秘書

企業の課題を可視化することでAIの効果的な活用法が見えてくる

言語分析機能を活用した問い合わせ対応

ビジネスパーソンにとって、集中力を阻害する大きな要因が、問い合わせ対応。総務部門などが社内の問い合わせ対応をワンストップで行っているケースも多くありますが、それでは受付窓口が一つに集約されただけです。そこから各関連部門への連絡や問い合わせは社員が行うため、結局各部門への問い合わせ件数が減ることはあまり期待できません。そのような各種問い合わせ対応に有効に活用できるのが、AIの特性である、言語の識別・分析機能です。

これまで月間約8,000件にものぼる社員からの問い合わせに対し、担当社員数名で対応していたソフトバンクでは、社内問い合わせを一括してチャットボットでの一時受付に集約しました。AIチャットボットが送られてきた問い合わせ内容に対し自然言語解析を行い、即時回答の可否を判断します。各種申請の方法や申請書の入手方法など、問い合わせ頻度の高い内容は、社内イントラ内で該当するページのURLを検索し回答。解析が難しい複雑な内容の場合のみ、担当部署へ連絡する流れに変更することで、問い合わせ対応による負担を大幅削減しています。

データ検索機能を活用した情報の選別

膨大なデータから必要な情報を抽出することも、AIが得意とするものです。先に紹介したソフトバンクでは、営業推進部門において行っている、自社や競合案件に関するニュースの社内配信業務において、「IBM Watson」を導入しました。一日300件程度のニュースを人の手によって収集・選別・配信を行っていた頃と比較して、AI導入後は約65%の工数削減が達成できたとされています。このような、抽出すべき情報ルールに従い、正確にかつ瞬時に必要なデータを選び取っていく機能を活用している事例は、現時点でのAI活用方法の中でも多くを占めているケースです。

AI×RPAによる個人秘書

人材不足とビジネスの多様化により、一人の社員が一度に複数の業務を担当するケースは、今後も増加していくことが予想されています。そのため、富士通では、個人レベルでの業務サポート・働き方改革にAIやRPAを活用する取り組みを進めています。定型業務を得意とするRPAをAIと組み合わせることで、より高度な業務を個人のニーズに合わせて行うことが可能となりました。これまで月間約6万件の集中購買業務の担当者割り当てを人の手で行っていたところを、AI×RPAで割り当て判断を自動化することで、年間2,500時間の工数削減を達成。また、顧客からの問い合わせ対応と受注処理をチャットボットとRPAで自動化したことで、さらなる業務効率と顧客満足度の向上という効果が生まれています。富士通では、AIやRPAを活用し、このような個人秘書としての能力をさらに高めていくことで、個人の働き方が変わっていくことを目指しています。「AI個人秘書」は、今後もすべてのビジネスパーソンにとっての頼れる存在として、さらなる機能の拡張が期待される分野と言えるでしょう。

関連ページ:各社が導入中のAI×RPAがもたらす業務効率化

働き方改革におけるAI導入の成功事例_2

企業の課題を可視化することでAIの効果的な活用法が見えてくる

働き方改革を進める上で必要なことは、企業それぞれが持つ自社の課題を洗い出すことです。長時間労働が蔓延している背景には、どの業務のどのプロセスが負担となっているのか、また、問題はプロセスそのものではなく、業務が属人化して、特定の社員への業務負荷が集中していることにあるのではないか…など、一言に「働き方を変えていく」といっても、問題のポイントをおさえていなければ、AIを有効活用することはできません。多様な機能を持つAIだからこそ、自社にとって有効なソリューションとなる機能をきちんと課題にマッチングさせることが、導入を成功に導くために必要なことなのです。

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