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【日本企業でも学べる部分がある】海外のリモート企業事例をご紹介

【日本企業でも学べる部分がある】海外のリモート企業事例をご紹介

ITツールを駆使しながら会社以外のところで作業を行える「リモートワーク(テレワーク)」は、全世界に普及しつつあります。しかし日本はどちらかというとリモートワーク普及が遅れ気味で、海外のほうがむしろリモートワーク普及率が高い状況です。

日本でリモートワークを導入する際はつい国内の事例に目を向けてしまう方も多いと思いますが、海外の事例も参考にするとリモートワークの性質や課題などがより理解できるはずです。

今回はリモートワークをより理解したい方向けに海外のリモートワークの現状や海外企業の導入事例、そしてそこから学べる重要なポイントなどを解説していきます。

【日本企業でも学べる部分がある】海外のリモート企業事例をご紹介

目次

日本のリモートワーク現状

海外のリモートワークの現状

リモートワークを導入した海外企業の事例3つ

事例から学べること

まとめ

日本のリモートワーク現状

総務省が公開している「平成30(2018)年通信利用動向調査」によると、日本のリモートワーク導入率は約19.1%です。

導入率は成長を遂げているものの、特に中小企業はコスト面などでITツールに手が伸びず、上手くリモートワークが企業全体に普及していないのが現状になっています。対して大企業はリモートワークの導入が進んでおり、新型コロナウイルスの影響を受けて大々的にリモートワークを実施する企業も増えています。

海外のリモートワークの現状

ここでは、日本以外の国のリモートワークの現状をご紹介していきます。

・アメリカ
・イギリス
・フィンランド

アメリカ

アメリカは、リモートワークを積極的に進めてきた代表的な国です。

アメリカでは年功序列などのリモートワークの弊害となる要素が存在せず、もともと目標管理や業績評価などを効率よく行う体制ができ上がっています。また「Job Description(職務記述書)」によって労働者の仕事内容や責任範囲などがあらかじめ明確化されているため、リモートワークの仕事切り分けも簡単です。

リモートワークが可能な土壌が整っているため、リモートワークを実践する企業も多いです。また連邦政府も、全職員にリモートワークを推進しています。

平成30(2018)年通信利用動向調査では、テレワークの導入率が約85%とかなり高い数値になっています。

イギリス

ヨーロッパの代表国であるイギリスには、もともと長時間労働の習慣がありません。そして、労働者に有利な労働法が制定されているのもポイントです。

状況としては、長時間労働が発生する場合も多く企業のほうが強い権限を持つ日本より働き方改革を進める必要性が薄いです。

しかしリモートワークの普及率は日本よりも高く、平成30(2018)年通信利用動向調査では約38.2%になっています。2020年時点では、さらに導入率が高まっているでしょう。

フィンランド

「ムーミン」の故郷としても知られるフィンランドでは、リモートワークを働き方関連改革の一つとして重要視しています。

フィンランドでは、労働者の通勤距離が年々長くなっていく傾向がありました。そこで在宅勤務などリモートワークを推進することで、通勤距離を減らして効率よく仕事ができる環境を作り出そうとしているようです。

IT技術も普及しているので、リモートワークを普及するには十分な土壌が整えられています。

フィンランドのテレワーク人口率推計は、2014年時点で約24.9%となっています。フィンランド政府は「ワーキングライフ開発戦略2020」で「ICT(情報通信技術)」を組み合わせた新しい働き方を推進する方針を固めており、リモートワークもさらに加速していくでしょう。
【日本企業でも学べる部分がある】海外のリモート企業事例をご紹介

リモートワークを導入した海外企業の事例3つ

リモートワークを導入した海外企業の事例を3つご紹介します。

・ソシエテ・ジェネラル
・デル
・デロイト

ソシエテ・ジェネラル

フランスに本社を置く「ソシエテ・ジェネラル」は、ヨーロッパのメガバンクとして有名です。ITと金融を組み合わせたサービスの提供など、進んだ取組を行っています。

「Life at Work(職業生活の充実)」をコンセプトに、働き方改革を推進しています。

ソシエテ・ジェネラルの社員の多くはパリ近郊に住んでおり、鉄道などの交通手段を用いてソシエテ・ジェネラルに出勤するのは大変な状況でした。そこで人事部のメンバーが上層部に直談判を行ったりして、経営層がリーターシップを取りながらリモートワークを推進できるよう準備を進めてきました。

また社内に「テレワーク・プロジェクトチーム」を設け、

・リモートワークができる作業の選別
・申請の承認
・リモートワーカー向け教育コンテンツの準備

など、さまざまな取組でリモートワークが推進できる環境を整えています。

2013年のトライアルを経て本格導入を行ったテレワーカーの数は増加し、2018年時点で7000人弱と大きく成長しています。

デル

パソコンメーカー大手「デル」では、2009年に「2020年までに50%の職員をリモートワーカーにする」という目標を発表しています。

経営幹部を中心にリモートワーク普及を進め、実践も行いながら社内でリモートワークのメリットなどをアピールしました。結果的に2015年度には職員の25%をリモートワーカー化し、目標達成へ大きく近づきました。

デルは「フレックスジョブス(Flex Jobs)」が発表した「リモートワークに前向きな米国企業ランキング」9位にランクインしており、外部からもリモートワーク推進に関して評価を得ているのが分かります。

デロイト

「デロイト(デロイト・トウシュ・トーマツ)」は、アメリカに本拠を置く世界最大の会計事務所です。

デロイトは経営層を中心にリモートワークを普及させる中で、チームごとにリモートワークを採用する方式を取りました。実践日数など細かい設定もチームに任せ、自主的にリモートワークに取り組める環境が用意されています。

また

・会社勤務とリモートワークを併用する
・アルバイトでもリモートワークができる
・勤務時間まで細かく指定する

など完全在宅勤務にとどまらない柔軟な働き方を社員に提供しています。

事例から学べること

【日本企業でも学べる部分がある】海外のリモート企業事例をご紹介
ここからは、リモートワークの海外導入事例から学べることを3つご紹介していきます。

・経営陣が力を入れて改革を行う
・導入で満足せず、効果測定を行う
・柔軟な働き方を用意する

経営陣が力を入れて改革を行う

リモートワークを社内全体に浸透させるには、「トップダウン」の改革方式が必要不可欠です。
社員にリモートワークを丸投げしていては効果が小さくなり、リモートワークが普及する前に止まってしまう可能性も高くなります。トップダウンで改革を行うことにより、社員全体に「リモートワークも働き方として選択できる」という認識を刷り込みしやすくなります。

トップダウンで改革を行うときは無理やりリモートワークを導入するのではなく、取り入れるメリットなども丁寧に説明して社員から不満が出ないよう心掛けましょう。

導入で満足せず、効果測定を行う

リモートワークを導入した時点で、満足してしまう企業もいるかもしれません。しかし自社の商品やサービスをマーケティングするのと同じく、リモートワークも導入後効果を測定していく必要があります。

リモートワークを導入して利用する際は、社員だけでなく企業も満足できるような仕組みを作っていかなければいけません。随時データ分析を行い課題などを洗い出すことで、リモートワークの効果を適切化できます。

・リモートワークによる収益向上率
・社員のリモートワーク定着率
・リモートワーカーの満足率

などを解析し、リモートワークをよりよい制度にしていきましょう。

柔軟な働き方を用意する

リモートワーク=在宅勤務と考えてしまう方も多いと思いますが、本来リモートワークは

・ハイブリッド・リモートワーク(社内勤務と社外勤務を組み合わせる)
・テンポラリー・リモートワーク(短い時間だけリモートワークを行う)
・モバイルワーク(外出時に、スマホなどを使ってリモートワークを行う)

など、さまざまな社外での働き方を指す言葉です。

現在は新型コロナウイルスの影響で「在宅勤務を進めるため、リモートワークを導入しよう」という企業が多いと思いますが、将来性まで考えると在宅勤務にとどまらない働き方をリモートワークとして用意しておいたほうが柔軟性の面で有利です。

新型コロナウイルスへの対処という一過性のもので改革が終わらないよう、さまざまなリモートワークを制度として利用できる体制を準備しておきましょう。
【日本企業でも学べる部分がある】海外のリモート企業事例をご紹介

まとめ

今回は海外のリモートワーク事情や海外企業のリモートワーク導入事例、そして導入事例から学べるポイントなどを解説しました。

海外ではすでにリモートワークが浸透しており、特にアメリカなどは極めて高い浸透率をほこっています。アメリカなどと日本がリモートワーク導入率で並ぶには、トップダウンでの思い切った改革などが必要でしょう。

ぜひ海外の事例からも学習し、適切にリモートワークを進めていきましょう。

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