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ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)とは?

ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)とは?_1

用語【ビジネス・プロセス・アウトソーシング】

ビジネス・プロセス・アウトソーシング(以下BPO)とは、定型業務を中心とするビジネスプロセスを、該当する業務を専門に行う外部企業やBPOベンダーに委託する経営手法です。

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目次

解説

BPOの対象業務とは?

BPO導入のメリットとは?

解説

元々、国内では事務代行や業務代行といった、人手不足やノウハウ不足を補完する目的で、社内業務の一部を外部に委託する流れは存在していました。

しかし、企業経営の規模が国内からグローバルへと広がり、事業内容も多角化していく中で、企業にとっては、自社の人材資源を有効に活用する必要性が高まってきました。自社収益に直結するような創造性の高いコア業務に自社の人材を集中させ、高い生産性を上げる仕組みの構築を目指したのです。一方で、経営のバックアップサポート的な要素の強いノンコア業務は、外部の専門家に任せることで、より効率的かつ低コストに存続させていこうという方針のもと、BPOの需要が高まっていきました。

外部のプロフェッショナルに任せることで、自社での人材育成も不要のまま、より高品質な業務を効率的に遂行することが可能となります。そのため、企業にとってはコア業務に専念して人材を最大限活用することができ、これまでノンコア業務で発生していたコストも大幅に削減できるため、BPOは企業経営において、重要な戦略のひとつとなっています。

このように、企業を取り巻く環境の変化から、BPO導入のニーズは高まり続けています。ここからは、実際にどのような業務が対象となるのか、また導入によりどのようなメリットを企業は受けることができるのかを解説していきます。

関連ページ:今さら聞けない! BPOとはどのようなもの?

BPOの対象業務とは?

これまで、データ入力や問い合わせ対応といった、ある特定のプロセスのみを代行して行うことが多かったBPOですが、ITの進化により幅広い業務領域において、包括的に請け負うサービスを提案する企業が増えています。単なる業務プロセスの代行ではなく、改善提案や戦略立案など、よりコンサルティング色の強いサービスが増えていることも、昨今の主流のひとつです。

BPOの対象とされる業務の一例を挙げてみましょう。

・人事部門
採用や人材育成、人事データ管理、給与計算など。
各業務カテゴリーに特化してアウトソーシングすることが多く、BPOベンダーや人材派遣会社、社労士・税理士事務所などが受託している。

関連ページ:人事採用をアウトソーシング! 「採用代行(RPO)」とは

・経理部門
経費精算や、請求書発行、決算業務、各種伝票・申請書の起票・作成、会計支援など。
各業務カテゴリーに特化して、それぞれの専門家にアウトソーシングしている事例が多い。委託先は、経理専門のBPOベンダーや、公認会計士や監査法人出身者などの専門知識を持つスタッフを有する企業。

関連ページ:経理業務をアウトソーシング! メリットとデメリット

・総務部門
社内の設備管理、受付、秘書、コールセンター、問い合わせ対応など。
各業務カテゴリーを専門とするBPOベンダーへ委託することが多い。受付とコールセンター、秘書とコールセンターなど、カスタマーサービスの一環としてセットとなっている場合も多いが、秘書業務に関しては、有資格のプロフェッショナルを揃えた人材派遣会社の利用も目立つ。

関連ページ:総務の業務をアウトソーシングするメリット

・IT部門
システム設計・開発・運用・保守、ITコンサルティングなど。
IT専門のBPOベンダーはまだ少なく、システム開発を行っている会社が受託することが多い。企業の業種によっては、セキュリティに強い銀行系ベンダーに委託している場合もある。

関連ページ:ITのアウトソーシングとは?

・営業部門
営業戦略の立案・実施、販路拡大、新規顧客開拓、営業代行など。
戦略的に営業活動を進めていくためのコンサルタントによるアウトソーシングと、テレアポなどの営業機会を増やすための営業代行との2つに大きく分かれる。経営コンサルティング会社が受託している場合も多い。

関連ページ:営業のアウトソーシングは可能か? 適した営業代行サービスの選び方

・広報部門
広報戦略の立案・実施、イベント企画・運営、広報ツールの企画・制作など。
広報業務全体をプロフェッショナルに一括で委託することも可能だが、各種企画や制作は孫請けのデザイン事務所などが担当する。プロジェクト単位でアウトソーシングする場合が多く、商品やサービスに応じた一貫性のある広報活動を1社にトータルで委託するケースが目立つ。

関連ページ:広報業務のアウトソーシングについて

・事務
データ入力、荷物の受け取り、郵便物の開封、帳票・書類管理など。
総務系のBPOベンダーや、人材派遣会社による委託が多い。マイクロソフトオフィススペシャリストや簿記などのスキルを持っている人材を強みとしている企業もある。

他にも、物流や医療など、様々な業種に特化したBPOベンダーも増加しており、今後は各社より細分化されたサービスを提案していくことが予想されます。そのため、依頼する企業側も、自社の事業形態や業種を知り尽くしたプロフェッショナルにアウトソーシングすることが可能となってくるでしょう。

BPO導入のメリットとは?

ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)とは?_2

BPOを導入することで期待できる効果は、大きく3つあります。

1.コスト削減
2.業務の高品質化
3.企業イメージ・ブランド価値の向上

流れとしては、1→2→3という順番に実感できてくるかと思います。

まず、「コスト削減」は、BPO導入におけるメリットのうち、最も広く認識されている点です。ノンコア業務を自社の人材で行う場合に発生するコストは非常に大きなものです。人材育成をするための労力と時間、経験豊富な社員への業務集中による残業時間と残業代、突然の退職や休職をカバーするための派遣社員など、非常に多くのコストをかけながらも、様々なリスクマネジメントも同時進行していかなければなりません。そのため、その業務を知り尽くした、即戦力となるプロフェッショナルに任せる方が、圧倒的にコストを抑えられるのです。

次に、「業務の高品質化」は、短期的に効果を実感することができるメリットです。アウトソーシングにより、その分野のプロフェッショナルや専門家が業務を行うため、業務効率は向上しながらも、正確かつ細かいところまで配慮した成果物を生まれます。高いスキルや業務ノウハウを有する人材を社内で育成しなくとも、業務品質向上が早期達成できるのです。

最後に、「企業イメージ・ブランド価値の向上」ですが、1、2の両方が達成した際の、企業が得られる最も大きなメリットと言えるでしょう。ノンコア業務にかかっていたコストが削減できれば、コア業務の事業資金へと活用することができます。そして、ノンコア業務の品質が高まることで、自社社員たちが日々発生する様々な雑務に対応する手間が省け、コア業務に専念できる時間と労力が生まれます。より集中して創造性の高い業務に取り掛かることで、革新的なアイデアが生まれ、新たな商品やサービスの誕生へとつながるかもしれません。一方のノンコア業務においても、顧客や取引先、金融機関や公的機関などとのやり取りがより良いものとなれば、各方面からの企業イメージも良くなります。

このように、BPOを導入することで、企業は様々なメリットを得ることができます。労働人口減少の深刻化が加速する中、今後も一層、国内のBPO市場は拡大していくことが予想されています。しかし、業務を丸投げして放っておいては、BPO導入は成功しません。有益なスキルやノウハウを簡単に借りられる一方で、社内の様々な機密情報を外部に公開するリスクがあります。アウトソーシング先で行われている業務が完全にブラックボックス化することは大変危険です。BPOのメリットを最大限にするためにも、業務遂行の手綱は必ず委託元企業の担当者が握り、アウトソーサーとのコミュニケーションを欠かさないようにしましょう。

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