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業務効率化のためのAI導入のメリット・デメリット

業務効率化のためのAI導入のメリット・デメリット_1

「AI導入によって、コスト削減と業務効率の向上を実現する」といった謳い文句を耳にしない日はないほど、AIは、生産性の高い組織づくりのための救世主のような存在になっています。急ピッチでAI導入を進めている企業も多く、企業規模に関わらず導入を検討しているところも少なくありません。

AI導入は確かにメリットの多いものですが、流れに乗ろうと闇雲に導入を急ぐことは、逆に企業の負担を増やし、マイナス効果となります。
AIの特性をきちんと把握した上で、その特性にあった業務を担当させることが、賢明な導入方法なので、事前にしっかりと確認しておきましょう。

目次

AIの思考はあくまでも計算

AI導入のメリット

AI導入の際に気を付けたいこと

あくまでAIはツールのひとつ

AIの思考はあくまでも計算

AIは人間の脳で行われる情報処理の一部の働きをシステム化したもの。人間と同じように、学習することでできることの範囲が広がっていきます。そのため、AIをフル活用にするために必要になるのが「学びの材料」です。
これまでのデータを経験として学び、それらの経験を活かして、目の前の課題を解決するというのがAIの基本的な特性となります。

AIはあくまでも人間の脳の中でも一部に特化した情報処理システムを再現しており、全ては過去の経験に基づいた計算によって、現在の答えを導き出しているのです。
膨大なデータ(経験)をカテゴライズして、目の前の課題解決に有用なデータを瞬時に見つけ、組み合わせて答えを導き出すことは、大得意です。
そういった計算スピードは人間の処理スピードを遥かに上回っていますので、データを分析・解析し、最適値を導き出すことが目的の業務には、最適と言えます。

しかしその反面、様々な経験が脳内で複雑に絡み合って生まれる「ひらめき」という人間特有の機能を、AIは持ち合わせていません。
そのため、未経験の課題への対応は不向きとなりますので、ゼロから何かを生み出すといったクリエイティブな業務は難しいのです。

自社にとって、「何の目的で」「何の業務を担当させ」「どのような効果を得たいのか」。
この3つを導入前にしっかりと考え、そしてまた、導入に際し想定される、メリットとデメリットをきちんと考慮した上で、導入の判断を下しましょう。

関連ページ:RPAとAIの違いとは?それぞれに適した業務は何?

AI導入のメリット

・業務工数の大幅削減
人事なら社員データの分析、総務なら会議室や出張のセットアップ、営業なら顧客データ管理と、AIを導入することで、アナログに行っていた業務の時間が大幅に削減されます。
通じて人件費が大幅に削減されることになります。導入にはまだまだコストがかかりますが長い目で見ると人を雇用するよりも安くすむでしょう。

・人為的ミスの削減
凡ミスの発生リスクを最小限にとどめるため、フローの簡略化やマニュアル化が行われてきました。しかし人間が行うのですからミスはゼロにはなりません。
その点AIなら、一度覚えたことはその通りに確実に行うことができますので、一定のクオリティをキープし続けることができるのです。

・脱属人化でいつでも対応可
アナログな手法で業務を行うことで問題となってくるのは、属人化やデータのブラックボックス化です。
業務を担当している人しかわからないことが増え、共有されないことで、担当社員が休んだりした際の業務が止まってしまいます。これでは、組織の生産性を高めることはできません。
その点AIは24時間365日働き続けられますので、一律に安定したクオリティがいつも保たれることとなります。

AI導入の際に気を付けたいこと

いろいろなメリットがあるAIの導入ですが、導入するなら知っておきたい注意点もいくつかあります。

・「学び」データの集積と最適化が必要
AIには、業務に取り掛かる前に、その業務に関連するデータを学ばせる必要があります。
システムによっては、文字データは不可で数字のみといったものもありますし、間違ったデータを覚えさせないためにも、学ばせるデータを導入するAIシステム用に準備する必要があります。
現時点での組織体制や業務フローを見たとき、この学びデータの準備に膨大な工数がかかり、通常業務を圧迫したり、社員に大きな負担が発生したりするようでしたら、即時の導入は慎重に検討すべきです。

・新たな人員配置が必要
AIシステムを導入するにあたっては、導入部署内では新たな人員が必要となってきます。
AIに精通しているエンジニアや、AI導入経験の豊富なコンサルタントなどを配置し、新たなシステムのセットアップや、作動確認などのバックアップをしてもらうこともあります。またコールセンターなどの問い合わせ対応業務をAIに担当させる際には、ちぐはぐな回答をしていないか、AIが導き出した答えは正しいものかを、確認・修正するスタッフが必要となります。

導入部署において業務に携わる人員は削減できますが、同時に新たな業務が発生し、そのための人員が必要となりますので、そういった人員確保や配置図も、きちんと想定しておきましょう。

・導入コスト
上にも挙げたように、AI導入には様々な準備が必要になります。
担当させる業務にもよりますが、導入に際し必要となる総コストをしっかりと算出することが重要です。

大切なのは、導入コストをすべて可視化して総合的に分析することです。
それだけのコストに見合う結果が得られるかを精査し、不要な設備投資として終わらないようにしましょう。

関連ページ:働き方改革におけるAI導入の成功事例

あくまでAIはツールのひとつ

業務効率化のためのAI導入のメリット・デメリット_2

AIはやってきたその日からサクサクと仕事をこなしてくれる魔法使いではありません。
これまで人の手で行っていた業務を担うには、それなりの準備もコストも必要です。
あまりにもAIの性能ばかりが誇張され、万能選手のように考えてしまうと、適切なシステムの選定を誤るだけでなく、本来の目的であった社員の業務効率を高めることを妨げる結果ともなりかねません。
「本当にAIが必要なのか」「費用対効果はどうなのか」など、多角的に検討材料を集めて精査することが、AI導入を成功に導くために最も重要なことなのです。

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