業務効率化

MBO(目標管理)とは? 運用のポイントを3つご紹介

MBO(目標管理)とは? 運用のポイントを3つご紹介

現在人事評価を行う重要な指標として、「MBO(Management By Objectives)」が多くの企業で導入されています。MBOは上手く運用すれば部下と上司の綿密なコミュニケーションを実現させ、社員のやる気を最大限にまで高められます。また成果を可視化しやすいのもメリットです。

ただしMBOは運用方法を間違えるとただノルマを与えているような状況になったりと、逆に社員のモチベーションを下げてしまう状況を作ってしまうかもしれません。そこで今回はMBOとは何かを分かりやすく解説しながら、メリットや運用時のポイントも3つご紹介していきます。「MBOを社内で上手く回していきたいが、運用時のポイントが分からない」という方はぜひご覧ください。

目次

MBOとは

MBOのメリット

MBO運用のポイント3つ

まとめ

MBOとは

MBOとは「目標を管理するための制度」で、有名な経済学者である「ピーター・ドラッカー」が1954年に提唱しました。日本では長らく普及しませんでしたが、バブル崩壊後の1990年代後半以降、成果主義に基づく人事評価が普及したことにより積極的に取り入れる企業が増えていきました。

MBOは元々「社員から自発的に力を引き出し、生産性を向上させるマネジメント方法」なのですが、日本では単なる成果判断用のツールとして利用する企業も多いです。本質を見間違えると、運用失敗の元にもなるので注意しましょう。

MBOのメリット

MBOを運用すると、次のようなメリットがあります。

・社員の意欲向上につながる
・自発的な能力向上にもつながる
・人事評価がシンプルで簡単になる

社員の意欲向上につながる

MBOでは、まず社員1人1人が達成すべき目標を設定し、それを社内で上手くすり合わせて実現へと導きます。

ノルマはあくまでトップダウンで、社内上部で決めた目標を社員に達成すべきものとして課します。それに対してMBOは社員の「こういう目標を達成したい」という意見を反映させます。つまり社員が自分が達成したい目標を設定できる分仕事に対するモチベーションが大きく向上します。

自発的な能力向上にもつながる

MBOは社員が達成したいと思っている目標が反映されているので、自発的に社員が行動してくれやすくなります。そして目標が上手く設定されていれば、目標達成により社員の確実なスキル向上が見込めます。

各社員のスキル向上は、企業発展のためにも重要な要素です。社員の目線に合わせてMBOを運用すれば、各社員のスキル向上も達成しやすくなります。

人事評価がシンプルで簡単になる

MBOは四半期ごとや半年ごとなど、期間を決めて社員がどれだけ目標を達成できたか評価を行います。設定した目標に合わせて達成率を簡単に可視化できるため、人事評価に利用すれば社員の評価がシンプルで簡単になります。

ただし単に人事評価のツールとしてMBOを捉えていると、ノルマを分けて社員に課している、といったようなそもそものMBOの定義を逸脱した運用になってしまう可能性もあるので注意しましょう。

MBO運用のポイント3つ

MBOを上手く運用するには、今からご紹介する3つのポイントを押さえておきましょう。

・具体的に分かりやすく、ステップアップできる目標を決定する
・PDCAサイクルで進めていく
・社内全体でMBO達成をフォローする体制を作る

具体的に分かりやすく、ステップアップできる目標を決定する

MBOを運用する際は、まず社員1人1人が誰から見ても具体的で分かりやすく、達成すればステップアップできる目標を設定する必要があります。

例えば社員が「来年度の売上目標をとりあえず前年度から上げる」というような曖昧な目標を設定したときは、会社の目標とすり合わせながらより具体的な方向性が出るように、社内で調整を行います。その際目標は低すぎても高すぎてもいけないので、「目標を設定した社員が努力すれば期間内に達成できる目標」を設定します。

そして「市場調査を綿密に行い新商品案を3つ以上は提案し、売上目標を前年度から20%以上向上させる」など具体的な目標にブラッシュアップできれば、達成したときに社員も今までよりスキルが向上しているはずです。

PDCAサイクルで進めていく

MBOは中長期的な評価を行うので、計画的に目標達成までのプロセスを回していく必要があります。そして全社員が目標を達成できるわけではないので、その際の改善点洗い出しや新たな目標の設定なども考えなければならないでしょう。

ですから「PDCAサイクル」でまず目標を計画してすり合わせ後実行、評価を行い改善点を探していくといった計画的に進める視点が重要になります。

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社内全体でMBO達成をフォローする体制を作る

MBO達成のためには、上司と部下が綿密なコミュニケーションを取りながら、協力してMBOの目標達成に邁進していく姿勢がポイントです。ここでコミュニケーションが上手く取れていないと、ノルマをただ社員に押し付けているだけの旧態依然とした状況に陥ってしまいます。

ですから部下が行き詰ったときは適切なアドバイスを送ってスムーズに先に進めるようにフォローするなど、コミュニケーションしやすい社内環境作りを怠らないようにしましょう。

関連ページ:業務効率化の推進が招く働き方改革の失敗事例

MBO(目標管理)とは? 運用のポイントを3つご紹介

まとめ

今回はMBOの概要やメリット、そして運用時のポイントまでご紹介しました。

MBOは概念までよく理解して運用すれば、社員のモチベーション向上や上司と部下の円滑な関係性構築など、生産性向上に関してさまざまなメリットを受けられます。しかし単なるツールとして捉えてしまうと、ただノルマを課しているだけの生産性が向上しにくい状況を作ってしまうので注意してください。

ぜひ正しくMBOを理解して本記事のポイントを踏まえながら、社内の生産性向上を実現してください。

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